1-3-4. アナアキエンマムシ亜科 Tribalinae

 世界に10属約180種.日本からは2種の記録がある.触角をしまう前胸背の穴は,のど板により腹面から閉じられ,前角腹面の前方に開いた穴となっている.上唇は刺毛をそなえる.脛節は単純で歯状に広がらない.

アナアキエンマムシ属 Epierus Erichson, 1834

 鞘翅にほぼ完全な深い条溝をそなえる種が多い.約80種が知られており,東洋,アメリカ,ヨーロッパに分布.熱帯域に多い.

アマミアナアキエンマムシ (図6) 

Epierus uenoi M. Ohara, 1994

  Ohara, 1994: 80 [全体図,♂交尾器].

 生態は不明.体長(前胸先端から鞘翅後端)1.83 mm.黒色で光沢あり.脚,触角,口器は褐色.前頭条溝は両側に短くあり前方は消失;前頭は目の前へ中央からななめに隆起する.前胸背縁条は側方で完全,前方は欠く[Ohara (1994: fig. 50) の前方完全は間違い];背面は細かい点刻を一様にもち,側方でやや粗くなる.鞘翅第1,2,3背条は基部2/3から3/4にあり,第4は第3よりやや短く,第5は中央基部1/6に短くあり,会合(第6)条は中央1/3に弱くある;背面は一様に点刻され,後方で粗く密になる.前脛節は細かい外歯をもつ.種小名は上野輝久氏に献名.分布:南西諸島(奄美大島).

Epierus lucus Lewis,1884

Epierus lucus Lewis,1884は「奈良春日の宮」から記載されたが以来記録がない.標本未検討.


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