―第3章 北大に眠る絵画― 第3章では、総長室や大会議室などに飾られていたり、建物の改修や改築の関係で一時的に倉庫に保管されていたりしていて、私たちが通常あまり目にすることのできない作品を紹介します。 |
![]() 小川原脩(1911-1994)《灯台と犬》1970年 キャンバス、油彩 53.0×41.0cm 工学部/同秘書室 灯台がたつ丘と目を閉じ横たわる犬が描かれている。これら二つのモティーフは画面を分けるように上下に配置されているが、一方で画面は寒色で統一され、まとまりが感じられる。本作は、画面右下の「Shu.O -70」というサインから、1970年に制作されたと特定できる。この年以降、小川原は犬をモティーフにした作品を多く描いた。他に馬や鶏をモティーフにした作品も残されていることから、この時期小川原が動物を好んで描いていたことがわかる。 |
![]() 上野春香(1896-1978)《北大ポプラ並木》1959年 キャンバス、油彩 53.0×45.5cm 学務部/クラーク会館 和室A付属室 上野春香は、札幌出身、春陽会で活躍した洋画家。ポプラの木々は葉をつけていないものの、道のあたりには緑が茂り、空は霞がかかり、春先の景色と思われる。春の訪れとともに芽吹きつつあるポプラ木々は、ところどころ暖かみのある薄茶色や淡い水色を用いつつ、素早く勢いのある筆で描かれている。画面左下に「HARUKA UENO 1959」のサイン、裏面に「春陽会々員 上野春香作」「北大ポプラ並木 1959.4」の記載がある。 |