1階「北大の学び舎」

 文学部

タッチパネルと環北太平洋地域の地図を備えたToNP(トンピー)が最初に目に飛び込んでくる文学部の展示スペース。ToNPではアイヌやアリュートなどの昔話を読んだり、ことばや歌を聞くことができます。またほぼ全域が遺跡である北大キャンパス由来の考古学資料として、K39遺跡・附属図書館本館再整備地点でみつかった住居のカマドと煙道の復元モデルの展示を開始しました。一押し研究は池田透教授のアライグマをはじめとする外来種の防除対策研究です。侵入先の生態系を破壊し、農業被害を引き起こす外来種。その効果的な対策には管理する側の人間社会をどう動かすかといった人文・社会科学的視点も欠かせません。

 

 医学部  

医学部の展示スペースには総合博物館の触れる展示の中でも一二を争う人気の装置、内視鏡外科手術の練習セットがあります。北大の医学部で開発され、実際に北大病院の外科医が手術の練習に使用しているセットを博物館仕様に改造していただいたものです。一押し研究は、呼吸等で微妙に変わるがんの位置を金マーカーでとらえて陽子線を照射する治療システムの開発(白𡈽博樹教授)と、病気になる前(未病状態)の体の小さな変化を脂質に着目してとらえる病気の予防システムの開発(千葉仁志教授)が二本立てで紹介されています。
※コロナウイルス感染拡大防止のため一部展示を変更しております

 

 歯学部

歯や口の模型がずらりと並んだ歯学部の展示スペース。どうぞ優しく手にとってご覧ください。また実際に学生実習でも利用している口を開けたマネキンも展示されています。用意されている白衣を身に着け、診療用の手鏡を利用してマネキンの歯を覗いてみてください。一押し研究は網塚憲生教授の臓器としての骨の研究です。私たちの身体を支える支柱である骨。しかし骨の役割はそれだけではありません。腎臓や副甲状腺、膵臓、さらに中枢神経などと影響を及ぼしあって人体の機能を調節する役割もあります。
※コロナウイルス感染拡大防止のため一部展示を変更しております

 

 薬学部

薬学部の展示スペースでは、薬用植物の薬用部位を乾燥させた「全形生薬」標本を中心に様々な生薬の標本とその薬効が展示されています。下剤として用いられるダイオウ、胃の消化を助ける作用のあるゲンチアナ、風邪薬や葛根湯になどに配合されるマオウ、滋養強壮に良いとされるタツノオトシゴやオオヤモリなど、22種類にも及びます。生薬の薬理作用には現在でも解明すべき謎が数多く残されています。一押し研究として、小川美香子教授のガンの性質を診断するために用いる分子イメージング剤についての研究が紹介されています。
※コロナウイルス感染拡大防止のため一部展示を変更しております

 

 工学部

学部の展示スペースは一押し研究者、永田晴紀教授のCAMUI型ハイブリッドロケットの紹介から始まります。CAMUI型ロケットの燃料は、買い物袋などにも利用されるポリエチレン。火薬類や危険物を使用しないため、安全管理のための費用を大幅に削減し、ロケットを経済的に小型化できるといいます。このほか、展示スペースは工学部の研究者が開発に関わったモノでいっぱいです。おしゃべりロボットのChapitや遠友学舎の模型などが展示されているとともに、切なく楽しくアルゴリズム技術の威力を教えてくれる「フカシギの数え方」も上映中です。

 

 理学部

黒板の内容を頻繁に更新している理学部。分かりやすい文章で理学部の先生方の研究やイベント、理学部に関連した時事情報などを紹介しています。内容が次々に更新されるため総合博物館の展示解説スタッフ泣かせの一面もありますが、理学部の学生やリピーターの皆様には大変好評なようです。一押し研究は圦本尚義教授の研究です。同位体顕微鏡という独自に開発した分析装置を用いて隕石を観察することから宇宙の成り立ちを調べています。