【活動報告】2014年3月19日(水)〜20日(木)魚類パラタクソノミスト養成講座(初級)

魚類パラタクソノミスト養成講座(初級)

日 時:2014年3月19日(水)〜20日(木) 10:00〜16:00

場 所:北大総合博物館分館水産科学館 実験室C

講 師:河合俊郎(北大総合博物館)

           矢部 衞(北海道大学水産科学研究院)

           冨田武照(北海道大学総合博物館)

参加人数:4名

スケジュール

19日(水)

 9:55〜10:00 開講式:講座開講の挨拶,自己紹介

10:05〜11:10 スケジュールの説明

                       講義:「魚類の多様性」

11:10〜11:25 講義:魚類の分類・測定方法の説明

11:25〜12:00 実習:メバル属魚類の同定と測定

12:00〜13:00 昼食

13:00〜13:10 講義:スケッチの仕方の説明

13:10〜16:00 実習:メバル属魚類の同定,測定,スケッチ

20日(木)

10:00〜11:00 講義:標本の作製方法の説明

11:00〜12:00 実習:標本作成(種同定→標本登録→DNA用の肉片の採取→鰭立→写真撮影)

12:00〜13:00 昼食

13:00〜15:30 実習:標本作成(午前からの続き)

15:30〜16:00 実験室の後片付け,アンケート記入,水産科学館への移動

16:00〜16:10 閉講式:修了証授与式,講座閉講の挨拶,全体の感想   

講義内容

1日目

<午前>

  本講座は4名の受講生を迎え開催されました.最初に水産科学館で講座開講の挨拶と自己紹介をしました.実験室Cへ移動した後,本講座全体のスケジュールについて説明をしました.続いて,魚類の多様性について講義をしました.この講義によって,受講生は魚類の進化や体系,およびその分類学の背景について学ぶことができました.次に,魚類の分類および測定方法についての講義をしました.この講義によって,受講生は魚類の分類を行うために必要な知識を学ぶことができました.

<午後>

  北海道周辺海域で採集され,現在は北海道大学総合博物館に所蔵されているメバル科メバル属魚類の種同定を行いました.1人あたり1個体の標本を用い,種同定をした後に,その標本の外部形態の計数と計測を行いました.さらに,計測した数値を基に,その標本のスケッチを行いました.この作業により,受講生は魚類の分類学を行うために必要な手順と技術を身につけることができました.

2日目

<午前>

  本日は,魚類の標本作成方法に関する講義・実習を行いました.最初に,魚類の採集方法と,採集された魚類を標本にするまでの手順についての講義をしました.その後,受講生は北海道周辺海域から採集された生の魚類サンプルを用いて,実際に標本を作製しました.その手順として,まずは冷凍サンプルの中から標本にしたい魚類を選び,図鑑などを見ながら種まで同定しました.次に,その魚類サンプルに登録番号を与え,DNA解析のための肉片を採取しました.その後,その魚類サンプルの鰭の形や模様を見せるために鰭を広げる「鰭立」を行い,きれいに鰭が立った状態のサンプルの写真を撮りました.これらの手順を踏まえ,受講生は色々な種類の魚類の標本を作製しました.

<午後>

  午前中に引き継ぎ,魚類標本を作製しました.最終的には全体で34もの標本を北海道大学総合博物館に登録しました.登録作業が終わると,後片付けをし,水産科学館へ移動しました.閉講式では修了証の授与と閉講の挨拶をしてから全講座を終了しました.