【活動報告】2014年5月18日(日)昆虫セミ パラタクソノミスト養成講座(初級)

昆虫セミ パラタクソノミスト養成講座(初級)

日 時:2014年5月18日(日) 10:00〜16:00

場 所:北大総合博物館・共同研究室

講 師:神戸 崇(北海道大学大学院農学研究院 博士研究員)

           稲荷尚記(北海道大学総合博物館 資料部研究員)

参加人数:10名(+付き添い3名、外部機関からの見学者2名)

スケジュール

18日(日)

10:00〜10:10 開講の挨拶と自己紹介

10:10〜10:30 アンケート

10:35〜12:00 セミ類についての講義と成虫の見分け方の解説

12:00〜13:00 昼食

13:00〜14:10 抜け殻による種の同定

14:10〜16:45 抜け殻と成虫の標本作り

16:45〜16:00 簡単なセミの研究法の紹介と質疑応答

16:00〜16:10 修了証の授与と集合写真撮影


講義内容

<午前>

  本講座は10名の受講生と3名の付き添い(小学生参加者の保護者)を迎え開講されました。最初に本講座の目的やタイムスケジュールの説明がされ、講師と参加者が自己紹介しました。

  まず参加者に札幌市に生息するセミなどの鳴き声を聞かせて、セミの鳴き声に対する認識度合いをみるためのアンケートを行いました。講義では、セミ類が含まれるカメムシ目の特徴とセミ類の体の作りや鳴く仕組み、生活史を解説し、羽化の連続写真を見せました。次に札幌市で確認されている10種のセミについて1種類ずつ生態や分布、鳴き声について解説したあと、最初に聞いてもらった鳴き声の答合わせをしました。5分の休憩をはさみ、類似した種の成虫の区別点について画像による詳しい説明がされました。最後にセミについての参考図書を紹介しました。

<午後>

  札幌市に生息するセミ10種の抜け殻標本(アクリル樹脂ケース入り)が参加者に配られ、ルーペや実体顕微鏡を使って種の区別点を確認しながら、講師が作成した検索表に従って種を特定する方法を学びました。5分の休憩をはさんだのち、標本の意義と採集方法の説明をし、講師が抜け殻と成虫の標本の作り方を実演しました。その後、参加者が講師の指導を受けながら自分で標本を作製しました。今回、希望者には作製した標本を持ち帰ってもらいました。

  講義の終わりに、講師が行ってきた札幌圏でのセミの調査研究の事例と意義を紹介し、参加者にも自発的な調査研究を勧めました。参加者の中学生からは具体的な質問もあり、調査の実施に意欲を示していました。また、講義全体への質疑応答の時間には多数の質問があり、講師らがそれに回答しているうちに終了時刻を数分過ぎました。

  最後に参加者に修了証が授与され、集合写真を撮影しました。