授業報告 博物館学特別講義 II 第9回 6月12日

第9回 6月12日

担当:鈴木幸人


今週から文学研究科の鈴木幸人先生の講義が始まった。鈴木先生は、今後3回の授業の中で、美術館学芸員の経験を踏まえた講義をして下さる予定である。今回はまず自己紹介ということで、受講者が順番にそれぞれの研究内容などについて発表した。これまで受講者同士で名前や所属は知っていても、それぞれが具体的に何に関心を持ち、どのように研究しているのかについては知らないことが多かったため、興味深い話だった。さらに、要所要所で先生の質問やアドバイスが入ったことで、最初の説明では少しわかりにくかった用語や論理などが補説され、理解しやすいものとなっていった。 自分の研究内容について、その分野に通じていない人にも面白いと思ってもらえるように伝える力は、様々な場面で必要となるはずであり、先生のご指導は受講者の今後に活きる意義深いものであったと感じた。

後半の時間では、京都国立博物館の館長等を歴任された藤沢令夫氏の書籍『 「よく生きること」の哲学』、岩波書店、1995年の第9章 「美と宗教―博物館とは何だろうか―」を第2節まで読み、博物館という存在の拠って立つ基盤は何だろうかという根本的な問題を考えた。原点に戻って考えることの大切さを感じた講義であった。(文学研究科思想文化学専攻 修士1年 大沢彩加)