授業報告 博物館学特別講義 II 第1回 4月16日

第1回 4月16日

担当:小林快次

今回は小林先生が勤務されていた福井県立恐竜博物館を例にとりながら、博物館における企画展のあり方について講義をしていただいた。まず常設展に対し、企画展では常設困難な資料の展示と特定のテーマに基づき一時的な観覧を目的とする展示が行われ、社会教育的効果への寄与と博物館の歳入への貢献、研究機能の強化が期待される事がわかった。また、これらの企画展の意義をふまえた上で、企画展における事業経費の内情と、その費用をかける意義、開催に至るまでの経緯についての説明を受けた。特に展示内容を決定する際に重要な要素である展示テーマの決定、予算の設定、展示場所と規模の決定、対象者層の設定、開催時期の設定について各項目それぞれ具体例を基に解説していだいた。今回の講義内容を通し、理想とする企画展を実現させるために、学芸員にはこれらの業務を短期間で並行してこなしていく能力、また委託業者をはじめとする外部の方々と連携して事業を進めていくための高い交渉能力が問われる事がわかった。今後の授業を通し、上記に関し更に理解を深め学んでいきたいと思う。

(文学研究科思想文化学専攻 修士1年 大野藍子)