授業報告 博物館コミュニケーション特論I 第5回 5月 9日

初めに、前回の課題であった各人が提案した奇抜な企画について議論を重ねた。「夜の博物館に泊まる」、「博物館を美術館にする」、「博物館をデートスポットに」、「車いすの目線にそった展示」などその人の個性あふれる企画が顔を揃えた。 しかし、企画の奇抜さと博物館活動の意義との兼ね合いが難しく議論は難航。改めて一つのものを作り上げる難しさを実感した。

そこで、気分転換と企画の面白さを確認するために、教室から館内へ場所を移した。

一階のエレベーター横から車いすを引っ張り出し、車いす利用者の気持ちを体感。展示物や解説文は予想より見やすく、

「むしろ、車いすの見やすいものもある」といった新しい知見もあった。

続いて、デスモスチルスなどの化石標本展示室を暗くして、手元の灯りで照らしたときにどういった印象を受けるのか検証。結果は、壁に映った化石の影が今にも動き出しそうな雰囲気を作り出し、好感触であった。この企画も実現すれば非常に面白いと感じた。

こういった流れを受け、全体のテーマを「夜」または「暗さ」と決め、来週の授業までに一度夜の博物館に泊まることとなった。そこで実際の夜の博物館の雰囲気を感じながら夜通し話し合い、また新たな案や企画の問題点が生まれるかもしれない。

博物館宿泊の結果は、授業報告号外にて。

(理学院自然史科学専攻 修士1年 本間伸一郎)


スマホのライトで骨格標本を照らす。壁に映る濃い陰がコントラストを強調する


受講生が車いすで館内を回る


夜の博物館に泊まることを楽しみにする本間くん