授業報告 博物館コミュニケーション特論 II 第3回 9月5日

集中講義の最終日は、各自がパソコンの前に座り続けて映像編集を行った。

授業計画では、午前中に映像を完成させて提出する予定であったが、少しでも質の高い映像にしたい思いから、締め切り時間を3時間延ばしてもらった。わずか3時間ではあるが、映像編集にとっては大きな3時間である。

映像全体を見ながらバランスをとりつつ、細かい映像のつながりやテロップと呼ばれる文字情報の入れ方、文言、フォント、色など俯瞰的に映像の構成を考えながら詳細な部分も見ていくと時間はあっという間に過ぎていく。これほど映像制作に夢中になるとは思っていなかった。

映像ソフトが不調なために昨日の中間発表に間に合わなかった江越くんの映像を見た。総合博物館の企画展示おしょろ丸を訪ねると言う内容だが、自転車に乗りながら撮影したというオープニング映像は、スムーズなスピード感があり、引き込まれた。映像ソフトの不調は解消されなかったため、自分のパソコンを持ち込んで編集作業を行った。藤田良治先生によると、映像編集作業は、映像の知識や技術だけでなく、パソコンの扱い方にも精通していなければならず、複合的な知識と技術、そして経験が必要だと言う。この実習では、痛いほど先生の言葉が身にしみる。

最終発表は、総合博物館入り口にあるウェルカムモニターで上映えを行い、相互評価が行われた。

来館者や大学関係者が行き交う中での上映であった。自分たちだけでなく授業をこのようなオープンスペースで行なう事に少し緊張感を感じ、ここで自分たちの作った映像が人に見られることを実感した。パソコン編集していた小さな画面と違い、映像は大きな画面のウェルカムモニターで見ると迫力がある。昨日の中間発表でほぼ全員の映像を見ていた際には、制作者の思い入れが強く意味が伝わらないシーンもあったが、最終発表ではそれらが改善され、メッセージ性が強く伝わる映像へと変わっていた。テロップや映像の順序の入れ替えなどでここまで映像の質が上がるとは驚きである。この授業で人に見せる映像のコツを学んだ事が結果に結びついている。受講生間の相互評価でも、映像を見せることを意識した内容になったことが指摘された。

藤田先生は最後に「映像は、見るときの環境、つまりどのような媒体で映像を見るのか、いつ見るのか、誰が見るのかといった状況を踏まえながら映像を作るべきだ」と話していた。視聴者すべてに同じ映像を見せても受け取り方は千差万別であるため、企画から撮影、編集に至るまで一貫して伝えたいことはしっかり映像として表現しなければならないと感じた。



最終発表では、博物館入り口にあるウェルカムモニターで映像を上映した