運営担当学生の事後考察

2015年度卒論ポスター発表会の運営を担当した学生の事後考察をご紹介します。

 

今回、卒論ポスター発表会の運営を担当して感じたのは自分の見込みの甘さである。運営にあたって、ポスターやリーフレットの制作などの作業が存在したが、私は初期に話し合ったポスター案の独自性に満足してしまい、ポスターについてもリーフレットについてもデザインの面で他のメンバーに任せきりにしてしまった。自分が担当した原稿の執筆や発表者や館長への原稿執筆依頼についても、スケジュールが押し気味になってしまった。当日の流れについても曖昧にしか把握できておらず、うまく立ちまわれなかったこともあった。しかし、周囲の皆様から様々なサポートを頂き、今回は会場が違うなど初めてのこともあったが、卒論ポスター発表会は成功に終えることができた。実施会場のエルムの森は、正門の近くということもあり、外国人の来場者も多かった。卒論ポスター発表会の概要は英語で説明し理解頂けたが、各ポスターへの誘導後については、発表者との連携が不十分であったため満足のいく対応とはならなかった。海外からいらっしゃった方に対して何ができるかについても今後の課題として考えていきたい。

(教育学部2年 井宮 汀士郎)

卒論ポスター発表会というイベントへの興味から運営スタッフとして実際に関わっていく中で、多くの発見をすることができた。中でも広報ポスター、リーフレット、会場運営についてスタッフの視点で考察する。

今年度は、広報ポスターを4パターン制作した。運営スタッフで卒論発表会をどういうものにしたいのか話し合い、卒論が4年間の学びの集大成であることの表現、視覚に訴える鮮やかな色彩と反復による印象づけを意識した。制作は慣れない作業であったが、判読性やバランス等、博物館スタッフの方や先生方からアドバイスを頂きながら制作した。また、制作した4枚は、スペースの関係上、各所にすべてを並べるというのは難しく、別々に掲示する形となった。反復による効果を期待するには、多くの場所でポスターを目にする機会を設ける必要があった。運営スタッフは2名であり、努力はしたが、広報ポスター掲示の直接交渉の依頼先をさらに工夫して広げるべきであったように思う。リーフレットに関しては、制作担当者と原稿を集める担当者が別であったため、原稿の受け渡しがスムーズにいきにくい部分もあったが、運営スタッフ同士で連絡を取り合うことで解決できた。

発表会当日は、会を滞りなく進めるために運営スタッフが自発的に動くことの重要性を痛感した。会の進行、発表者への説明、来場者への声かけと案内などを含む個々の仕事と全体への視線をもって動くことが必要とされた。来場者への案内の中で、卒業論文という言葉を口にすると、「専門性が高くて難しい」というイメージを抱かれる方もいた。卒論ポスター発表会の大事な目的のひとつがこうした専門性の高い内容をいかに広くわかりやすく伝えるかというものである。そこで重要なのは、発表者のわかりやすい解説と見やすいポスターはもちろんであるが、運営スタッフによる声かけも陰ながら支えられる部分だと思う。来場者に興味を持っていただけそうな発表者のもとへ誘導することは、広報を担当するだけでなく中間発表会に参加して発表内容を把握していた運営スタッフだからこそできることであり、来場者を迎える姿勢のひとつであるように思った。

今年度の発表会は、会場や広報ポスターなど新しい試みがあった。今後の卒論ポスター発表会がよりよいものとなることを期待するとともに、私自身も今回の貴重な経験を活かしていきたい。

(文学部2年 大谷 明子)