2024年度卒論ポスター発表会 発表者・運営スタッフの事後考察

2025年3月1日(土)・2日(日)に開催された2024年度卒論ポスター発表会で、ポスター発表をした学生と運営に携わった学生の事後考察を一部ご紹介します。

発表会当日の様子はこちらをご覧ください。

 

<発表者の事後考察>

卒論ポスター発表会を通じて、自分の研究内容を見つめなおす機会になった。ポスターの準備や発表練習、実際の発表では、分野や興味関心の異なる多くの方々の視点からたくさんの意見や質問、アドバイスを頂いた。それによって、自分の研究の目的や結果から得られた考察について新たな考え方を得ることができた。また、発表ではどうしたら聞き手である市民の方々に興味を持ってもらえるか、内容をわかりやすく伝えることができるかということについて深く考えた。発表した2日間の中で試行錯誤しながら多くの回数をこなした経験を通して、研究内容を人に伝えるスキルの向上だけでなく、研究のアピールポイントなどの内容を整理することができた。このポスター発表会で多くの方々と意見を交わし、自分の研究について説明を尽くした経験から得られたことは多く、今後に生かしていきたい。

奥山 修右(農学部 生物資源科学科)

 

 

まずは、今回このような貴重な機会を頂けたことに大変感謝申し上げる。運営スタッフや先生、審査員の皆様のおかげで、この発表会で私は非常に多くのものを得ることができた。例えば、私達の学部では卒論発表を同じようにポスター形式で行うが、この発表では自身の研究を説明する相手が他分野や一般の方であるということ、SDGsとの関連を示すということなど、学部でのそれとはまた異なる点に注力する必要があり、新鮮な体験だった。また、多くの方から様々な質問やコメントを頂けたことも有難かった。自分では気づけないようなことを異なる視点から教えて頂いたのは、普段の研究だけでは得られない、何物にも代えがたい経験だった。さらに、様々な背景を持つ方へ発表したことで改めて誰かに「伝える」ということの難しさ、その奥深さを知ることができた。これらの経験を糧とし、今後も探求を深め、それを多くの人々に伝える努力をしていこうと思う。

城川 響生(理学部 地球惑星科学科)

 

 

今回の卒論ポスター発表会について、自分の指導教員のようにとても分かりやすく魅力を伝えられるような発表技術を育てたいという思いで積極的に取り組んできた。発表会の準備の段階では、小さい子供からご高齢の方、私の研究分野である古植物学について全く知らない方から古植物学や現生の植物について専門的に研究している方にもわかってもらえるような、情報の過不足ないちょうど良いポスターを作ることに長い時間悩まされが、その都度、工夫を凝らしてポスターのアレンジを行うことができた。そして、当日の発表会の中で、発表を聞かれる方が何に注目しているのか、どこが分かりにくいかを感じ取りながら適宜修正を重ねて、より発表者視点でも話したいことを分かりやすく円滑に伝える技術を会得できたのではないかと思う。最後に、今回の発表会で、一般向けに卒論を発表できる機会と自分の研究の意義を改めて認識する機会をもらい、自分なりにうまく活かせたことが大変有意義であったと感じた。

伴 直樹(理学部 地球惑星科学科)

 

 

 

<運営学生の事後考察>

卒論ポスター発表会に運営スタッフとして参加させていただいたことは貴重な体験であった。第一に、発表者3名全員が理系で自分の研究する日本史の分野とはかけ離れた分野であり、とても新鮮であった。また御三方から、発表の回数を経ることに見やすくなるポスターと聞きやすくなる話術に成長と熱意を感じた。発表会を通じて私と同様、来館者は新たな知見を得、感銘を受けたのではないかと思う。事実、アンケートにて好意的な意見が多かった。第二に、リーフレット担当として文章を作成する際、紙面という伝達手段を上手く利用するにはどうすればよいかを考える良い経験であった。限られた文の中で細かな配慮と重要な情報をどう入れ込むかという苦悩を通じて、文章の奥深さに感じ入った。ただ、今振り返ると修正したい箇所があるのは否めない。最後に反省として、積極的な行動はとれたものの、作業負担が寡少ではないかと悔恨している。しかし今回の経験は、博物館の企画運営として携われたという至高のものであったことに変わりない。

遊馬 考輝(文学院 修士課程1年)

 

 

準備において、私はリーフレットに掲載する図表の制作を主に担当した。参考となる資料や情報はすぐに手に入ったが、1月中に時間が確保できず、図表の提出が遅れてしまったことが反省点であった。責任感を持ち、空き時間を有効活用し、連携して作業にあたるべきであった。また、今回は発表者が例年と比較して少なく、1会場にて開催されることになったが、その分全員が会場全体に気を配り、声掛けを行う必要があると感じた。1日目は受付での発表会の案内も会場内での誘導も声掛けが不十分だったが、2日目はスムーズに案内や誘導をすることができるようになった。受付や誘導中に、総合博物館の展示の場所について尋ねられることや北海道大学自体についての質問をされることがあり、博物館で企画を行うにあたって、博物館自体に加えて博物館周辺のことについても十分に知っておかなければならないと実感した。来館者の方々からは、発表数が少なく残念という意見を頂いたため、来年度以降は様々な学部の4年生に発表会について広く呼びかけるべきであるとも感じた。

岸田 倖典(工学部 学士課程3年)

 

 

卒論ポスター発表会に運営スタッフとして携わり、主に広報ポスターの作成を担当した。会全体を通して非常に良いと感じた点は、多様な学部の方が本発表会に関与していたことである。分野横断型研究やSDGsへの貢献が求められる現代において、異分野の研究者や非専門家と円滑にコミュニケーションを取る力、すなわちトランスファラブルスキルの向上は不可欠だろう。運営スタッフの良いところは、交流の場作りやマネジメントを経験できるだけでなく、多様な立場の人々との対話を通じて、これらのスキルを向上させる機会が提供されている点であると感じた。さらには、各発表者の研究に寄せられる意見や質問に、会場での質疑応答、アンケートの集計や、講評会での審査員からのフィードバックなど、運営の活動を通して様々な形で触れられる。これにより、視座が高まり、研究活動そのものにおける社会的意義を再考する貴重な機会となった。

為近 昌美(水産科学院 博士課程2年)

 

 

今回、卒論ポスター発表会の運営スタッフを経験して、経験を積むことの大切さを強く感じた。発表会当日、私は来館者の方への声かけに非常に苦戦していた。受付でリーフレットを渡す際に何を伝えるか、卒論ポスター発表会が行われていることを知らずに来館された方にどのようにこのイベントを説明するか、発表途中に来館された方をどのように案内するか、など、想像以上に臨機応変に対応することが求められ、言葉が詰まることも多かった。また、コロナ禍も明けて外国人の来館者も多かったため、時には拙い英語で対応することもあった。しかし、先生方にアドバイスをいただいたり、他のスタッフの対応を見ながら積極的に対応を重ねるうちに徐々に成長し、スムーズに対応できるようになった。1 日目の午前より午後、1 日目より 2 日目の方が上手く声かけができるようになっていることを自分でも感じ、嬉しかった。今回の活動を通して得た経験を活かすことができるよう、今後も様々なことをに取り組んでいこうと思う。

徳井 翠(理学部 学士課程3年)

 

 

卒論ポスター発表会の開催に至る道のりは、参画者一人一人の自主性と寛容さ、責任感が織りなす一つのストーリーであった。自主性とは、担当するコンテンツについて、担当者自身が見通しを立て、中身を考え、作成・実行してきたということである。寛容さとは、担当者が作成・実行したコンテンツについて、ほかの参画者が担当者を信頼し任せてきたということである。責任感とは、担当しているコンテンツを自分が作成・実行しなければ、卒論ポスター発表会が開催できなくなるという緊張感である。私は主に、会場配置図と司会原稿の作成を担当し、自主性が尊重され、寛容さのある環境のなかで、責任感を抱きつつ準備を進めた。作成した会場配置図と司会原稿が、他のスタッフにより、同じく自主性と寛容さ、責任感のもとで作成・実行されたコンテンツと一つになる。そして、卒論ポスター発表会として結実する。責任感を伴う自主性と、それを尊重してくれる温かい寛容さのなかで、卒論ポスター発表会の開催に至るストーリーに貢献できたことは、望外の喜びである。

宮本 英昌 (公共政策大学院 1年)

 

 

私は主に、リーフレットの作成を担当した。昨年度のデザインを参考に、今年の発表者に合わせて北大総合博物館らしいリーフレットになるよう心掛けた。会場図やタイムテーブル等は他の運営スタッフ・教職員の皆様と、発表概要については発表者と連絡を取り合いながら原稿を頂いた。他の人が作ったり書いたりしたものを受け取ってデザインに組み込んでいくことになったため、責任感をもって完成に導けるように努力した。デザインの修正とそれらのやり取りを並行して進める期間は忙しなさを感じたが、その分自分一人では達成できなかったであろう完成度を実現することができた。スケジュール管理等の面で反省点はあるが、無事にリーフレットを完成させ来場者の方にお渡しでき達成感があった。運営スタッフとして卒論ポスター発表会に携わったことで、専門外の方に専門分野をどう伝えるかといった学びも得られ、貴重な経験となった。

山中 葉奈子(文学部 学士課程3年)