「人間・社会・自然と科学技術」展示室を一部リニューアルしました。

 当館1階「人間・社会・自然と科学技術」展示室が一部リニューアルし、平成23年1月末から2つの新たな展示が公開されています。大学院工学院 エネルギー環境システム専攻 エネルギー変換システム研究室の近久武美教授の研究を紹介する「PEM型燃料電池で創る未来」と、大学院工学院 応用物理学専攻 量子機能工学研究室のオリバ・ライト教授の研究を紹介する「音を見よう!――ナノレベルの波が見せる結晶と螺旋上の波の不思議な世界」です。

このリニューアル作業は、文学研究科の佐々木亨教授の「展示制作プロセス演習」の一環として行われています。総合博物館が監修し、当館の湯浅万紀子准教授 が協力し、平成19年度後期より継続して来館者調査に基づいて行われています。平成20年度と21年度の取り組みについては、『博物館ニュース』19号、 21号に報告されています。

展示制作プロセス演習の受講生達は、2グループに分かれ、近久研究室とライト研究室へのヒアリングを重ねて、研究内容を展示という形でいかに社会に伝える かを検討しました。両研究室とも、教員や大学院生、学部生が、文系の大学院生の多い展示制作演習のメンバーに対して丁寧に説明を続け、多方面でご協力下さ いました。総合博物館の教職員には、随時進捗を報告し、議論・確認しながらリニューアルを進めました。展示制作演習の大学院生達が担った役割は、展示パネ ルの解説文の推敲、模型の説明文や操作マニュアルの作成、絵本の翻訳、展示物の制作・設営の補助など、多岐にわたります。今年度は当館の藤田良治助教の指 導を受け、映像コンテンツの制作にも挑戦しました。展示物を提供する企業や展示制作会社など学外の方々との協働作業の場面も多くありました。

リニューアルした展示はいずれも実物資料や体験型の展示から構成されており、来館者の能動的な観覧を促すことが意図されています。今後、来館者調査を実施 し、展示制作者の意図が伝わっているかを検証する予定です。ぜひ、大学院工学院と展示制作演習のメンバーと総合博物館のコラボレーションの成果である展示 をご覧いただき、ご意見をいただきたいと思います。

 

 

PEM型燃料電池で創る未来」(近久武美教授研究室)

「音を見よう!――ナノレベルの波が見せる結晶と螺旋上の波の
不思議な世界」(オリバ・ライト教授研究室)