【11月4日開催】 バイオミメティクス市民セミナー (第71回) – 『サメとアザラシ、生態と動態』


イベント詳細

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アザラシの生態を通して海を考える

目がくりくりっした愛らしいアザラシは水族館では一躍人気者に…
一方、漁網から魚をとられてしまう漁業者にとっては害獣。
そんな多面性を持つアザラシは、私たちと同じ哺乳類でありながら海に適応・進化した生き物です。
では、アザラシとはどのような生き物でしょうか?彼らを、観察し、追いかけて、触れて、解剖してきてわかったことを紹介しながら、もっと多面的にアザラシを知り、アザラシを中心とした海中の生態系の流れを考えてみましょう!
実は、アザラシが北海道の漁業を支えているかも!?

講師紹介

小林 万里(東京農業大学生物産業学部)

北海道大学獣医学部卒。その後、北大大学院獣医学研究科で博士学位を取得し、01年NPO法人北の海の動物センター理事・事務局長に就任。01年から北方四島ビザなし専門家交流をコーディネートし、海生哺乳類などの自然生態系を調査研究。06年4月から東京農業大学に勤務。北海道におけるアザラシ類の生態・行動研究に従事し、人間と野生動物との共存の道を模索している。フィールドの現場を主軸として研究、お酒と人との会話をこよなく愛す。主な共著書に、「世界遺産知床半島の海獣類-アザラシ類の実態」(日本の哺乳類3巻・東大出版会)などがある。愛知県出身。

サメの遊泳に学ぶ、省エネ設計

サメがどうして速く泳げるのか?その秘密は体表を覆っている楯鱗(ジュンリン)にあります。楯鱗の溝構造を模倣した高速水着などが実用化されていますが、楯鱗の構造を精緻に測定すると、楯鱗の構造は単純な溝ではなく、複雑な3次元微細構造であることが分かりました。この複雑な微細形状が持つ機能を解明できれば、工業製品に応用する手がかりになります。本講演では、構造解析と流体解析を用いて楯鱗の機能を解明し、それをもとに工業製品の表面構造を設計する手法についてご紹介します。

講師紹介・略歴

宮崎 真理子(株式会社日立製作所)

2003年 筑波大学 第一学群 自然学類 卒業
2005年 筑波大学 数理物質科学研究科 物理学専攻 博士前期課程修了
2006年~ (株)日立製作所 研究員