【10月7日開催】 バイオミメティクス市民セミナー (第70回) – 『海産無脊椎動物である長い生物、ヒモムシの仲間(紐形動物門)について / ミミズからムカデまで長い生物の移動方法である“這行(しゃこう;這う移動)”について』


イベント詳細

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「海産無脊椎動物である長い生物、ヒモムシの仲間(紐形動物門)について」

世界からこれまでに約1200種が知られるヒモムシの仲間は紐形動物門を構成しており、軟体動物門・環形動物門・腕足動物門などと近縁とされている。紐形動物門には3つの主要な下位分類群があるが、そのうちの一つである担帽類と呼ばれるグループは特に長くなる種がいくつか知られており、日本国内の最大記録は7m、世界記録は50mに達した個体が報告されている。本口演では紐形動物がどのような生き物なのかを概観し、どうして特定の種が他の種よりも長い体を持つように進化してきたのかに関する仮説を紹介する。

講師紹介・略歴

柁原 宏(北海道大学大学院 理学研究院 准教授)

1972年 生まれ
1995年 北海道大学薬学部卒業
2001年 北海道大学大学院 理学研究科博士後期課程修了
2002年~2003年 国立環境研究所(茨城県つくば市) 科学技術特別研究員(ポスドク)
2003年~ 北海道大学大学院 理学研究科 助手
2010年~ 北海道大学大学院 理学研究院 准教授

「ミミズからムカデまで長い生物の移動方法である“這行(しゃこう;這う移動)”について」

どうして、ムカデの足はぶつからないのか?なぜ、ミミズの体はからまらないのか? かれらが移動する様子をじっくり観察してみると、その長い体に沿った各部の周期的な動きは見事に調和して、”波”として伝搬していることに気がつきます。おもしろいことに、この運動波は前向き(順向波)と後ろ向き(逆向波)のどちらの種もあって、このことは過去百年にわたり注目されてきました。本講演では、多数の観察結果を交えながら、数理的な視点から”長い生物”の這行ロコモーションについてご紹介します。

講師紹介・簡単な略歴

黒田 茂(北海道大学電子科学研究所 助教)

1996年 北海道大学工学部電気工学科を卒業、理学研究科数学専攻修士課程に進学、2004年 同博士課程を単位取得退学. 北海道大学電子科学研究所、公立はこだて未来大学での博士研究員を経て、2013年から現職。現在、北海道大学電子科学研究所附属社会創造数学センター知能数理研究分野 助教。