小樽市教育委員会、小樽市総合博物館、北海道大学
2012年11月24日(土曜日) 10:00~17:00 ・ 小樽市総合博物館
8人
10:00~10:10 講座開講の挨拶、講師の紹介、受講生の自己紹介
10:10~12:00(11:00~11:10は休憩) 昆虫の各目の概要についての講義(担当:大原)
昆虫の各目の形態や生態などについて昆虫の系統進化に沿って紹介した。受講生には普段目にすることのない分類群の標本を顕微鏡で観察してもらった。本講座の対象であるセミやカメムシ類の特徴について、他の昆虫と比較することで理解してもらえるようにした。
12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 カメムシ目の概要についての講義(担当:山本)
本講座の対象であるセミとカメムシ類を中心に、その形態や生態などを紹介した。
14:00~15:10 セミの成虫と幼虫(抜殻)の種までの同定
はじめに小樽市に生息する9種のセミの成虫標本を絵合わせで分類し、よく似た種については山本が作成した検索表を用いて種まで同定した。また、雌雄の違いも観察した。次に、幼虫(抜殻)を検索表を用いて種まで同定した。
15:10~15:30 休憩
15:30~16:40 セミ型下目の科までの同定、陸生カメムシの科までの同定
様々なセミ型下目および陸生カメムシの標本を、山本が作成した検索表および図鑑の絵解き検索表を用いて科まで同定した。
大原が昆虫の各目の特徴について概観することによって、受講生はセミやカメムシ類の特徴を他の昆虫と比較しながら理解できたようだ。また、普段目にすることのない分類群の標本を用意することで、受講生は興味をもって昆虫標本を観察することができた。山本がカメムシ目の概要について講義することで、受講生はカメムシ目についてさらに深く学ぶことができた。例えば、セミもカメムシ類もカメムシ目に属すること、カメムシ類には様々なグループが含まれていることを理解できたようだ。山本が作成したセミの成虫と幼虫(抜殻)の検索表は初心者にも扱いやすく、多くの受講生が種まで正しく同定できた。しかし、触角を欠如している場合にはセミの幼虫(抜殻)の同定が困難になることから、さらなる改良の必要がある。また、セミ型下目および陸生カメムシの様々な標本を科まで同定することによって、受講生はこれらのグループの多様性を学ぶことができた。しかし、多くのグループが含まれることから、一部の標本では同定することが困難であったようだ。