活動報告
パラタクソノミスト養成講座(野外観察会)
(1)実施機関
北海道大学、札幌市北方自然教育園
(2)日時・場所
2012年11月24日(土曜日)9:00~16:00 ・ 札幌市内
(3)参加者数
20人
(4)活動概要
- 藻南公園内の河原にて海底火山の噴出物の岩石採集・地質観察後、札幌軟石ひろばを見学し、当時の採石状況・運搬方法等を学んだ。
- 八剣山下、御料橋にて安山岩の遠望地質見学・露頭観察および岩石採集を行った。
- 十五島公園内の河原にて安山岩と泥岩の接触部の観察および採集を行った。
- 石山緑地にて札幌軟石採掘跡地、野外ステージを見学し、札幌軟石の歴史を学んだ。
- 辻石材工業にて札幌軟石の採石状況(切り出し・切断・加工)を見学し、現在と過去の利用状況を学んだ。
(5)参加者の声
- 札幌軟石文化を語る会の方々のご協力もあり、座学では得られないフィールドワークの楽しさを体感できたようで、寒空の下での野外観察会ではあったが、参加者全員が寒さを忘れるほど夢中になって観察・採集していたと思う。最後にはマイハンマーを所有したい方がみられるほど、本講座に満足して頂けたと思われる。
- 地質巡検ではこの地域でみられる火山活動に関連する露頭を観察することにより、札幌軟石の形成や我々が住む札幌市周辺の地質について学ぶことができた。また、過去から現在に至るまでの札幌軟石の採石場を見学することで、札幌軟石がなぜ札幌市資料館や小樽運河倉庫群といった歴史的建造物に用いられているのかという点について参加者の理解を深めることができた。
- 札幌近郊に分布する火成岩は、様々な年代、成因、岩質のものがある。今回の巡検では、各種火成岩の地質学的側面から見た特徴と、石材としての岩石の性質を関連付けて学ぶ事が出来たと見られる。また札幌軟石の利用、札幌の扇状地の地形、そして札幌の発展には深い関わりがあった事も体感できた。巡検を通して実物の岩石を目の前にし、同時にその分布を体感できたことも有意義であったと思われる。
