ご挨拶
美術の北大展
―いま、明らかになる大学所蔵絵画―


 文学研究科芸術学講座では教員、学生一体となって、北海道大学に所蔵されている美術作品の悉皆調査を実施しています。本展はその成果の一端として、本学ゆかりの画家が制作した絵画を中心に、これまで余り知られることのなかった「北大における美術活動」に焦点を当てるものです。
 現在までのところ160点ほどの現認調査を終えましたが、作品の制作年や作家の同定、来歴、制作の背景など、ほとんど資料のない中での調査研究には多くの困難を伴います。しかし展覧会開催を通じて、展示プランの作成や図録の編集、解説文や論文の執筆、広報活動などを学生が担当することは、貴重な教育機会となりました。またその成果の公開は美学・芸術学、美術史学、博物館学、ひいては人文科学の研究にとって大変、意義あることと考えられます。
 芸術の秋、どうぞ「美術の北大」展に足をお運びください。そして描かれた美しいキャンパスとともに、このキャンパスに生きた画家たちに想いを馳せていただければ幸いです。