【10月27日 開催】 中谷宇吉郎没後50年記念事業 〈秋季行事〉 関連セミナー 「中谷宇吉郎と戦時研究」 が開催されます
中谷宇吉郎没後50年記念事業 〈秋季行事〉
(The 50th Anniversary Events Dedicated to the Memory of Ukichiro Nakaya.)
関連セミナー
「中谷宇吉郎と戦時研究」
が開催されます
日時 : 10月27日(土) 13:30 〜 15:00
会場 : 北海道大学 総合博物館 1F 「知の交流」コーナー
講師 : 菊地 勝弘 (北海道大学 名誉教授)
概要 :
中谷宇吉郎の雪の研究は1932年の札幌や十勝岳中腹の顕微鏡観測から始まったが、1935年( 昭和10)の常時低温研究室の完成によって一気に進み、翌1936年3月12日には世界初の人工雪の生成に成功した。10月には人工雪実験を天覧に供する栄誉を得たが、その直後から肝臓ジストマを患い、伊東温泉で2年間の療養生活を余儀なくされた。1939年全快して札幌に戻り、翌年から旧鉄道省札幌鉄道管理局や旧南満洲鉄道の依頼を受けて道内や旧満州で凍上の現地観測をスタートさせた。一方、1943年には国家総動員令による海軍省主導の戦時研究「航空機着氷防止の研究」のため、ニセコアンヌプリ頂上に着氷観測所を建設し、実物の戦闘機を運び上げて研究を開始すると同時に、翌年には陸軍省主導の戦時研究「千島、北海道の霧の研究」を根室で開始したが、1945年8月終戦と同時に戦時研究は終了した。今日でもとても考えられないような山頂や海岸で行われた大規模な研究観測はどのように行われたのだろうか。残されている当時の写真や報告書からその一端を紹介する。