ポプラで作ったチェンバロによる

小さな小さな演奏会



       ポプラのチェンバロ  

 「ポプラのチェンバロ」は,平成16年の台風18号で倒れた北海道大学のポプラ並木のポプラを材料に作られました。バロック風の静謐な佇まいのチェンバロですが、その鍵盤の一つひとつには、ポプラ並木の再生を願う人々の熱い想いがこめられています。

 ポプラ並木は、明治36年(1903年)に植林されて以来、樹齢100年に至る今日まで本学のシンボルとして学生や市民に親しまれてきましたが、台風18号の突風により半数近くが倒壊しました。倒れたポプラの惨状に多くの人々が落胆しましたが、すぐにポプラ並木の再生を願う声が全国から寄せられ、その声に後押しされた北大はポプラ再生事業に着手しました。世界にも例を見ない30トンにもおよぶ倒木2本を立て直すというプロジェクトが成功したのも、皆様からいただいたご支援の賜です。

 その一方で、倒れたポプラ並木を木工品として蘇らせるというプロジェクトも進められ、多くの方々のご協力により、ポプラは様々な工芸品に生まれ変わりました。その代表作が、チェンバロです。

 チェンバロ製作のご提案は、北海道教育大学の市川信一郎教授からいただきました。昔のヨーロッパではポプラがチェンバロなど楽器の材料に使われていたこともあったそうですが、現代では珍しい試みといえます。

 チェンバロの製作は、横田ハープシコード工房の横田誠三さんにお願いし、完成まで2年の歳月が費やされました。北大のキャンパスカラーの緑色で縁取りされたチェンバロは、100年を生きたポプラの深みが感じられる、素晴らしい出来映えとなっています。

 ポプラ並木が倒れてから2年後の平成18年9月8日に、チェンバロ完成記念コンサートが北大クラーク開館で開催されました。演奏者に若きチェンバリスト、水永牧子さんをお迎えし、会場に詰めかけた500名以上の市民や卒業生を前に、恵迪寮歌「都ぞ弥生」など7曲が披露されました。水永さんの高祖父(祖父の祖父)は札幌農学校1期生の大島正健であり、クラーク博士の直接の教え子として「Boys,be ambitious」という博士の言葉を初めて紹介しました。演奏会場には大島正健ゆかりの方々をはじめ、クラーク博士の子孫であるベンジャミン・サリバン氏や佐藤昌介初代総長の子孫のキーン昭子さんも来場され、北大創基130周年の節目の年にふさわしい演奏会となりました。

 なお、チェンバロには、ラテン語で下記の銘文が刻まれています。


ポプラこの古の大志、札幌の地に育まれ
2004年 嵐によって倒れ
2006年 ここに蘇る


北大総合博物館開館時間:9時00分〜16時00分

チェンバロ演奏会会場:北海道大学総合博物館・知の交流コーナー

お問い合せ:北海道大学総合博物館企画係

Tel : 011-706-2658 E-mail : museum-jimu@museum.hokudai.ac.jp



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