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活動報告

 

パラタクソノミスト養成講座 野外地質見学・採集会

 

(1)実施機関

北海道大学

(2)日時・場所

2014年8月3日(日) 9:00~18:00 ・ 石狩市厚田区望来海岸

(3)参加者数

38名

(4)活動概要

 石狩市厚田区望来海岸の海食崖の見学・望来層由来の化石採取及び岩石鉱物の採取を目的にして実施した。まず、嶺泊海岸で海食崖に望める望来層の説明と、望来層由来の化石及び海浜のメノウを採集した。海浜に入った左右100m幅が主にメノウが多く採取できることを説明し、参加者全員がめいめいに点在してメノウの採取を行った。この海岸線では、メノウの種類と貝化石(ヤスリツノガイ・ワタゾコウリガイ・エゾボラ・トクナガキヌタレガイ・サザナミソデガイ)が採取でき、生痕化石も採取できた。参加者全体の行動と最終的に採取した採集物は、それぞれ興味によって違いは出ていたが、目的を達成し満足した様子が伺えた。
 午後からは、無煙浜(望来海岸)に移動して、鉱物ではメノウ、化石では「ワタゾコウリガイ・サザナミソデガイ」に似た二枚貝を海食崖の真下でノジュールから採取し、浜辺では単体で石英化したものを採取した。また、葉の化石、脊椎動物の骨らしい化石を採取した参加者も居た。残念ながら巻貝の化石は見つからなかった。
 無煙浜では参加者の採取の目的が明確で、多くが琥珀と化石で、他はガイドブックに沿った活動を取っていた。メノウと他の石の区別できなかった参加者も、帰り道では自信を持って採取していた。帰り道の参加者の様子から大方(琥珀以外)、目的を果たした様子が伺え、皆、苦労の甲斐があったように思えた。
 最後に厚田油田跡に移動した。ここは、昭和36年まで採油されていたこと、札幌からそう遠くない所に石油が取れることに驚いている参加者も多く、熱心に油井跡へカメラやビデオを向けていた。
 次に、海浜付近の原油が自噴している場所が、油井跡から海岸に向かって直線距離で150mの位置にあり移動する。小道を歩き、目的地に近づくと石油のにおいが強くなり、参加者の興味を引きはじめ、左側の湿地に直径約15mの干からびた水溜りに到着する。奥側にも同様に干からびた水溜りが幾つか点在するのが視認できる。季節的に水が干上がり、予察で観察できた天然ガスの泡と一緒に原油が水溜りの底から出てきて、水面の油膜を作る状態を残念ながら今回は見ることはできなかった。

 

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