タイトル


活動報告

 

岩石パラタクソノミスト養成講座(初級)

 

(1)実施機関

北海道大学

(2)日時・場所

2013年7月20日(土曜日)~21日(日曜日) 10:00~16:30 ・ 北海道大学総合博物館

(3)参加者数

14名

(4)活動概要

スケジュール
20日(土)
10:00~10:10 開講の挨拶、講師の自己紹介、受講生の自己紹介、スケジュールの説明
10:10~11:20 実習:博物館内部および周辺構内で使われている岩石の見学
11:20~11:30 休憩
11:30~12:30 講義:地球の深部構造および岩石ができる場所について
12:30~13:30 昼食
13:30~14:30 講義:鉱物(特に造岩鉱物)や岩石の分類と種類について
14:30~15:30 実習:博物館3階アイランドアーク展示室およびその周辺の鉱物・岩石標本の見学
15:30~16:30 実習:造岩鉱物の標本を使って肉眼鑑定

21日(日)
10:00~11:20 実習:岩石の密度 (比重)の測定(共同研究室)
11:20~11:30 休憩
11:30~12:30 実習:岩石の肉眼鑑定
12:30~13:30 昼食
13:30~14:50 実習:岩石の肉眼鑑定
14:50~15:00 休憩
15:00~16:10 岩石鑑定クイズ
15:10~16:30 閉講式(後片付け、アンケート記入,修了証授与)

     

講義内容
1日目
<午前>
   本講座の受講資格は中学生以上ですが、今回は特別に小学校5年生1名も含め、14名の受講生でした。講座は博物館内部や周辺構内(旧昆虫所蔵庫・聖蹟碑・クラーク像)で利用されている多彩な岩石(赤色石灰岩・かんらん岩・札幌軟石・安山岩・結晶片岩・みかげ石など)の見学で始まりました。午前の講義では、地殻・マントル・核からなる地球の深部構造やプレート運動と岩石の形成の関係について学びました。

<午後>
  講義では、岩石を作っている主要な鉱物(造岩鉱物といいます)である石英や珪酸塩鉱物(長石類・かんらん石・輝石・角閃石・雲母類)の特徴や成因による岩石の大区分(火成岩・堆積岩・変成岩)を学びました。それぞれの岩石グループについて、成因や構造鉱物種、粒度などによってさらに細分する方法を学びました。
  その後、博物館3階のアイランドアーク展示室およびその周辺の廊下に展示してある造岩鉱物や岩石標本を見物し、説明を受けました。室内に戻ってからは、各自鉱物標本セット(10種の造岩鉱物)と火成岩標本セット(10種)を肉眼およびルーペで観察し、それぞれの特徴を理解するよう努めました。しかし、整った結晶の形をした標本試料とは異なって、岩石中の鉱物の識別はなかなか難しいことを知りました。

2日目
<午前>
  岩石の密度の測定は、アルキメデスの原理(浮力の原理)を利用して岩石試料の体積を求め、岩石の見かけの密度を求めるものです。3名1組になり、上皿天秤を使って、重さの違う5種の試料(花こう岩・安山岩・玄武岩・かんらん岩・黒曜岩)について測定しました。皆さんほぼ同じ値を出しました。小学校の頃に使った上皿天秤を懐かしがる方もいらっしゃいました。
  午前の後半は、堆積岩と変成岩の標本セットを使って堆積岩と変成岩の特徴を観察しました。

<午後>
   午後の前半は、大型の岩石標本を使って、火成岩・堆積岩・変成岩の構成鉱物や組織の違いを学びました。同じチャートでも白・赤・黒・青など様々な色があり見かけがずいぶん違うこと、また、玄武岩と黒っぽい細粒砂岩とは肉眼では区別し難いことなどを知りました。
  後半の岩石鑑定クイズは、テーブルに並べた30個の岩石の鑑定会です。それぞれの岩石について、火成岩・堆積岩・変成岩のどれに属するか、岩石名は何か、入っている鉱物は何か、を解答するものです。皆さん石好きの方々ですので、お互いに石採集の経験を語りながら、クイズを楽しんでいました。2、3歳の頃から石マニアだったという特別参加の小学5年生が最優秀で8割ほどの正解率でした。


1   2