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活動報告

 

海藻パラタクソノミスト養成講座(初級)

 

(1)実施機関

北海道大学

(2)日時・場所

2013年2月23日(土曜日) 10:00~16:00 ・ 北海道大学総合博物館 共同研究室

(3)参加者数

12人

(4)活動概要

10:00~10:10 講座開講の挨拶、講師の自己紹介、スケジュールの説明
10:10~11:00 海藻および藻類の概要についての講義
11:00~11:50 標本庫見学
11:50~12:50 昼食
12:50~13:00 北海道大学における札幌農学校時代からの海藻研究史についての講義
13:00~15:45 押し葉標本の同定
15:45~16:00 アンケート記入、片付け、修了書授与式、講座閉講の挨拶、集合写真撮影

(5)参加者の声

 午前の講義では、海藻は藻類とされる生物の内でも多細胞性の海産種をまとめたグループであること、そして、海藻の中には動物と植物の違いに相当する程に系統の離れたグループが存在し、分類学的にみて幅広い生物の集まりであることが説明された。午後には、これを踏まえて受講生が押し葉標本の同定を行ったが、陸上生物に比べて下等な生物である海藻は形態が単純であり、光学顕微鏡を使って微細な細胞構造の観察を行っても種の階級まで同定することはできなかった。これは、今回使用した押し葉標本の中に初心者には同定の難しいものが幾つも含まれていたことが原因だと思われる。そのため、およそ3時間の同定実習を通じて1種類だけの同定に終始していた受講生が目立った。教材としては、より形態の特徴的なもの、切片の作りやすいものに絞り込んで提供することでより多くの種について観察を行うことができただろう。また、標本庫見学では、標本の保管法や分類学に限らない標本の利活用など、標本の存在と保存の重要性が説明され、研究用の整備が済んでいない未整理標本の存在やそれらを同定する人材の必要性についても解説された。全体として、初級講座においては、図鑑や検索表、光学顕微鏡を使用した同定技術の修得が目的となっており、受講生は苦労しながらもそれらの扱いや一連の流れについて修得することができていた。また、分類学においては分類学者だけではなく同定能力を有する人材が必要であることに対しても認識が深まったようだ。

 

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